GISに関する規格
GISにおける二大標準化団体として、ISO/TC 211とOpen Geospatial Consortiumがあります。
ISO/TC 211の国際標準案をもとに、国土地理院と民間企業との共同開発によって作成された国内標準が地理情報標準(JSGI)です。
地理情報基準はデータの設計、品質、記述方法、仕様の書き方などのルールを定めています。
GISデータのファイル形式には、CityGML、GeoJSON、GeoPackage、GeoTIFF、GML、KML、シェープファイルなどがあります。
地理情報に関わるプレイヤー
測量事業者:政府や自治体から発注を受けて、測量を行い、その成果をGISデータとして納品します。
政府・地方自治体:各種目的に応じた地図を整備して、公共性が高いGISデータはオープンデータとして公開しています。
国土地理院:国土の基本的なGISデータの整備・管理や政府や自治体が作成したGISデータの利用推進を行っています。
デジタル地図ベンダー:政府や自治体が整備したGISデータに独自の調査で収集した地理情報を付加して、デジタル地図として販売したり地図サービスを提供したりしています。
位置情報ベンダー:位置情報に関するデータを収集して販売したり、サービスとして提供したりしています。
GISソフトウェアベンダー:GISのソフトウェアを開発・販売したり、GISに関するサービスを提供したりしています。
地図プラットフォーマー:インターネットで利用できる地図や位置情報サービスなどのプラットフォームを提供しています。
システムインテグレーター:地理情報や位置情報を利用した特定用途向けのアプリやサービスの開発・提供やシステム構築を行っています。
GISに関する政策
日本政府としてGISについて本格的に取り組むきっかけとなったのは阪神淡路大震災といわれています。
震災後に、内閣にGIS関係省庁連絡会議が設置されました。
現在は、地理空間情報活用推進会議が推進活動を行っています。
2007年には地理空間情報活用推進法が公布されました。
この法律に基づく地理空間情報活用推進基本計画は第4期まで引き継がれて施策が実行されています。
GISの歴史
GISの起源は1950年代の冷戦初期に米空軍により開発された半自動式防空管制組織(SAGE(セージ))と言われています。
これはソ連から侵入してきた軍用機を発見して地図上にプロットするものでした。
実務分野では1960年代後半に、カナダ政府に対して国土の森林資源を管理するカナダ地理情報システム(CGIS)が提案されました。
1981年には世界初の商用GISのソフトウェアとしてEsriがARC/INFO(アークインフォ)をリリースしました。
現在ではArcGISとなって継承されています。
2005年にはGoogle MapsとGoogle Earthが登場しました。
2000年代からはFOSS4G(Free Open Source Software for Geospatial)とよばれるフリーのGISソフトウェアも増えました。
参考
GISのビジネス活用がよ~くわかる本