通常、方位を知るのに方位磁石を使用しますが、ドローンも地球の地磁気を磁気センサーで検知して方位を認識します。
磁気方位センサー
磁気方位センサーは原理の考え方としては方位磁石を用いるのと同じですが、実際に機器に自由に動く磁石が組み込まれて、その動きを検知するセンサーは現在ではほとんど使用されていません。
現在使用されているのは、電子コンパスと呼ばれる電気的に方位を検知できるホール素子や電気抵抗素子(MR:マグネトレジスタンス)といった電子部品サイズの小さなものなので、スマホなどの中に搭載されるようになっています。
偏角と伏角
GPSでは位置が分かりますが、ドローンがどちらを向いているかは、動き出した差分情報を使用してその方向が分かります。
GPSの座標系が示す北極の方向と、方位磁石が示す方向は少しずれています。
東西方向のずれを偏角、上下方向のずれを伏角と呼びます。
偏角は水平面上での方位角のずれで、伏角は地面にめり込む方向を向いている地磁気の磁力線とジオイド上の水平面とのなす角を表しています。
ドローンには3軸地磁気センサーが使用されていて、偏角と伏角を検知できます。
磁気方位センサーと偏角とGPS情報の差分情報から、ドローンの向いている方位をセンシングしています。
一方、ドローンの水平安定に関しても、加速度センサーの重力方向の情報と、磁気方位センサーの伏角の情報をフィルタリングして使用しています。
参考:ドローンメカニズムの基礎知識