ドローンの飛行法規

国内のドローンの法律・規制

航空法

無人航空機(ドローン)に加えて、航空機に関する法律です。

この法律では、ドローンを、人が乗り込めず、遠隔・自動操作でき、重量が100g以上と定義しています。

ドローンの機体の飛行規則、飛行計画の提出、保険の加入、違反時の罰則などを定めています。

 

小型無人機等飛行禁止法

ドローンなどの飛行についての法律で、飛行禁止区域が設定されています。

100g未満の航空機も対象です。

禁止区域内での飛行には罰則があり、事前に都道府県公安委員会に通報する必要があります。

 

電波法

ドローンの飛行時は、法律で許可された範囲内で電波を使わなくてはならず、使用する周波数帯によっては、無線局免許と無線従事者資格が必要となります。

また、ドローンの飛行は近くにある電波設備に影響を与える恐れがあるため、飛行の許可を取らなければならないケースもあります。

 

その他の条例等

地方公共団体が定める条例でドローンに関する規則を設けている地域があります。

ドローンを飛ばす前に、その地域の定める条例を確認する必要があります。

 

ドローン使用時の注意点

機体登録、リモートID機能

2022年に航空法が改正され、ドローンの所有者は国土交通省への機体登録が義務化されました。

100g以上の機体が対象となり、登録が完了したドローン本体には登録記号が付与されます。

有効期間は3年間で、登録時には所有者の氏名と住所、機体の種類や製造者、製造番号などを告知します。

制度導入の背景には、ドローンの利用者の増加とともに、事故や無許可での飛行が相次いでいることがあります。

また、登録記号の表示に加えて、リモートID機能も機体に備える必要があります。

リモートIDとは、遠くからでも機体の情報を把握できるようにするための発信器です。

リモートIDを利用して分かる情報は、動的情報(無人航空機の製造番号、登録記号)、静的情報(位置、速度など)です。

 

飛ばせる時間と目視確認

ドローンの飛行には、時間帯や目視に関する規制があります。

飛ばせる時間帯については、日中が原則であり、日没後から日の出前までの間は飛行が禁止されています。

夜間の飛行を行うには、事前に承認をとる必要があります。

夜間飛行を行う際には、ドローンに灯火を搭載し、操縦者の手元で位置や高度、速度などの情報が把握できる送信機を使用し、ドローンの様子を確認できるようにする必要があります。

また、ドローンの飛行には目視確認が必要です。

他にも鉄道車両や自動車などが通ることで、機体を確認できなくなる可能性もあるため、常に必要な距離(30m程度)を保てるように飛行させます。

なお、操縦者の目視確認ができない状態でドローンを飛ばすときも事前承認が必要です。

目視外飛行時は、操縦者とは別に補助者を用意して、周りの安全を確認できるようにします。さらに、ドローンの位置や高度などを地上から把握できるように、カメラなどの操縦装置を機体に取り付ける必要があります。

 

天候

ドローンの飛行は天候に左右されやすいため、ドローン操縦者は天気の情報を収集し、天候を見極める必要があります。

 

空域制限

航空法では、ドローンが飛べる区域について制限してます。

 

150m以上の高さの空域

高度は地表または水面からの差を指します。

高度150m以上であっても、建物から30m以内の範囲であれば、禁止空域から除外されます。

150m以上上空での飛行以外の許可・承認は必要となります。

 

空港などの周辺

一部の空域を除いて、ドローンの飛行は禁止されています。

海外ではドローンが攻撃・偵察目的で使われる事例もあるため、ドローンの飛行が手於呂を想定させることもあります。

航空法で定められている以外に、禁止されているエリアとして、国の重要な施設(国会議事堂、首相官邸、皇居など)の周辺、外国公館の周辺、原子力事業所の周辺があります。

 

緊急用務空域

緊急用務空域とは、災害などが発生した際に、防衛省、警察庁などの機関が飛行する範囲を指します。

緊急用務空域は国土交通省のウェブサイトやXなどで調べられます。

 

人口集中地区の空域

人口集中地区とは、国勢調査により一定の基準を超えた地域を指し、人口や家屋が密集しているエリアのことを言います。

人口集中地区については、航空局のウェブサイトより確認できます。

 

特定飛行

事前に許可・承認が必要となる飛行を特定飛行と呼びます。

特定飛行に該当するのは、下記のものになります。

 

規制対象となる飛行空域

・150m以上の高さの空域

・空港などの周辺

・緊急用務空域

・人口集中地区の空域

 

規制対象となる飛行方法

・夜間飛行(日没後から日の出まで)

・目視外飛行

・第三者または第三者の物件との間の距離が30m未満での飛行

・祭礼、縁日、展示会など多数の者の集合する催しが行われている場所の上空での飛行

・爆発物など危険物の輸送

・無人航空機からの物件の投下

 

特定飛行を行う際には、国土交通省より飛行の許可・承認を受ける必要があります。

なお、無人航空機操縦者技能証明(国家資格)と機体認証を受けた機体があれば、一部の許可・承認が不要となります。

 

海外のドローンの法律・規制について

オーストラリアでは、2002年に世界で初めてドローン関連の法律を制定しております。

同年にイギリスもヨーロッパで最初に法整備しました。

日本は2015年12月10日法律を施行しています。

 

無人航空機操縦者技能証明

2022年12月に無人航空機操縦者技能証明というドローンに関する資格ができました。

この資格は、ドローンを飛ばすために必要な知識や能力を国が証明します。

技能証明を受けるには、国が指定した民間試験機関による学科試験と実地試験、身体検査に合格する必要があります。

学科試験は、国土交通省が発行する無人航空機の飛行の安全に関する教則についての内容が出題されます。

実地試験はドローンを飛ばす試験になります。

一定時間内に決められた通りに機体を動かせることを試験します。

技能証明は一等と二等に区分され、有効期間は3年間で、更新が必要となります。

 

飛行計画書

飛行計画とは、安全な飛行の確保をする上で必要となります。

特定飛行を行う場合には、飛行計画の通報が必要となります。

飛行計画の通報はDIPS2.0より行います。

ドローンの飛行方法は3つのカテゴリーに分けられております。

そのうち2つのカテゴリーは特定飛行に該当するため、国土交通大臣からの許可・承認もしくはカテゴリーに応じた機体認証を受けた機体と無人航空機操縦者技能証明が必要となります。

 

カテゴリーⅠ

特定飛行に該当しない飛行となります。

航空法上の手続き無しで飛行できます。

 

カテゴリーⅡ

ドローンの飛行経路下で、ドローンの操縦士と補助者以外の人物が立ち入らないように対策した上で特定飛行を行います。

 

カテゴリーⅡA

空港周辺、緊急用務空域、高度150m以上、催し場所上空、危険物輸送および物件投下、最大離陸重量25kg以上の無人航空機の飛行

 

カテゴリーⅡB

ⅡA以外のカテゴリーⅡ飛行

 

カテゴリーⅢ

補助者に寄って他の人物が立ち入らないような措置を一切とらずに、特定飛行を行います。

最もリスクが高い飛行となり、安全確保のために最も厳格な手続きが必要です。

 

参考

ドローンビジネス成功の方程式

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

error: Content is protected !!