ドローン国産メーカーの紹介(2025年6月時点)

目次

  • 概要
  • 国産メーカー比較表
  • 企業別紹介
    ①(株)ACSL
    ②SONY
    ③エアロセンス(株)
    ④(株)Liberaware
    ⑤ブルーイノベーション(株)
    ⑥Terra Drone(株)
    ⑦(株)マゼックス
    ⑧(株)Sky Drive
    ⑨(株)ジーフォース
  • 参考文献

 

概要

現在、官公庁では情報漏洩等の観点から、脱中国製のドローンの動きが進んでいます。

それに伴い、国産ドローンの需要が高まってきており、開発が進められています。

一般向けでは、DJI(中国)のドローンがほぼ独占しております。

産業用においても、DJIのドローンを国内の業務で使われているのが多く見られますが、今後は国産ドローンも増加していくのではないかと思われます。

ドローンの国内での動き等が気になったため、記事にまとめてみました。

ぜひご覧ください!

 

国産メーカー比較表

代表的な国産メーカーについて、一覧表にまとめました。

企業名 主力製品 用途
(株)ACSL 蒼天、PF2-CAT3 空撮、点検、物流
Sony Airpeak S1 空撮、測量
エアロセンス(株) エアロボウイング 点検、測量
(株)Liberaware IBIS2 点検
ブルーイノベーション(株) ELIOS 3 点検
Terra Drone(株) Terra Xross 1 点検
(株)マゼックス 飛助 農業
(株)Sky Drive Sky Drive 空飛ぶ車
(株)ジーフォース LEVIO等 趣味

 

企業別紹介

①ACSL

企業概要

2013年に千葉大学教授の野波健蔵氏により創業されたベンチャー企業です。

もともとは、株式会社自律制御システム研究所という名前でしたが、2021年に企業名を現在のACSLに変更しました。

世界水準の自律制御技術を持ち、同技術を搭載した産業用(空撮や点検、物流など)ドローンの提供を行っております。

 

製品紹介

蒼天

出典:株式会社ACSL

 

ISO15408(コンピュータセキュリティのための国際規格)に基づくセキュリティ対策が施された小型空撮用ドローンになります。

機体の主要部品には、国産品もしくは信頼性の高い海外からの調達品を使用し、通信・撮影データの暗号化など、セキュリティ強化を図っています。

蒼天は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「安全安心なドローン基盤情報開発」事業に採択されて、技術開発を進めたものになります。

LTE通信を使用し、インターネットを経由したドローンの操縦が可能となるため、山間部やプラント内等の遠隔地で、自動飛行による補助者無し目視外飛行が可能となります。

カメラは、動画4K、静止画は2,000万画素となっております。オプションとして、赤外線カメラ、マルチスペクトルカメラなどがあります。

機体重量は1,720g、最大飛行時間は約29分となっております。

価格はオープン価格となっておりますが、約150万円という情報もあります。

 

項目 詳細
用途 空撮、点検、警備等
寸法 アーム展開時:637mm×560mm(プロペラ含む)

アーム収納時:162mm×363mm

機体重量 1,720g(標準カメラ・バッテリー含む)
最大飛行時間 29分
標準カメラ 動画4K対応 静止画時2,000万画素

 

PF2-CAT3

出典:株式会社ACSL

 

日本で現状(記事執筆時点)、唯一の第一種型式認証機となっております。

すでにレベル4飛行による実証実験を成功させており、後継機の開発も進んでいるようです。

主に物流目的で使用される機体となっております。

1.0kgまでの物を運ぶことが可能で、最大飛行時間は20分となっております。

 

項目 詳細
用途 物流
寸法 1,174mm×1,068mm×601mm(プロペラ含む)
重量 機体:5.5kg、バッテリー:3.3kg、
最大ペイロード:1.0kg、最大離陸重量 9.8kg
最大飛行時間 20分
補助安全装置 日本化薬社製パラシュート搭載

 

②SONY

企業概要

テレビ、カメラ、オーディオ、ゲームなどを手がける言わずと知れた日本を代表する企業です。

2020年にドローン事業に参入しましたが、2025年に撤退してしまいました。

 

製品紹介

Airpeak S1

出典:SONY

 

SONYが制作した、国産の空撮ドローンになります。

ドローンにSONYのカメラであるαシリーズを搭載することができ、高画質な空撮が可能となっております。

第二種型式認証も取得しており、二等無人航空機操縦者技能証明と組み合わせることで、一部申請が免除となります。

また、RTKも搭載することが可能で、測量も可能となっております。

しかし、2025年3月末にて、販売が終了してしまいました。

サイダ飛行時間は30分となっております。

価格は約100万円程度という情報もあります。

 

項目 詳細
用途 空撮、測量
寸法 機体のみ:約526.8mm(高さ) x 591.9mm(幅) x 511.8mm(奥行)
重量 機体のみ:約3.1kg

RTKキット(別売)取付時:約3.4kg

最大飛行時間 30分
カメラ SONYのカメラ(αシリーズ)

 

③エアロセンス(株)

企業概要

2015年に設立された、ソニーグループが主要株主の会社となります。

国産ドローンの開発とクラウドによるデータの処理・管理などを取り扱っています。

主に測量用のドローンを開発しております。

 

製品紹介

エアロボウイング(AS-VT01K)

出典:エアロセンス(株)

 

エアロボウイングは、2020年10月に、初の国産VTOL機として発売されました。

滑走路不要で離発着が可能で、1フライト50km、巡航速度65km/hの高速飛行を行えます。

山間部の砂防施設の点検や河川沿いの調査飛行、大規模測量など、長距離・広範囲の飛行が必要な場所等で活用されています。

2024年6月に、VTOL機(垂直離発着陸型固定翼)として初となる、第二種型式認証を取得しております。

価格は500万円程度という情報があります。

 

項目 詳細
用途 空撮、測量、点検
寸法 215 x 124 x 42 cm(プロペラ含まず)
重量 9.2kg
最大飛行時間 40分
カメラ 別売りで、静止画2,000万画素、動画3840 x 2160/30fps

 

④(株)Liberaware

企業概要

2016年に設立された、狭小空間を安定して飛行可能で、非GPS環境下の屋内空間を自動飛行できるドローンの技術開発を行っている会社です。

 

製品紹介

IBIS2

出典:(株)Liberaware

 

インフラ、プラント設備などの狭小空間点検に特化した、世界最小クラスのドローンになります。

サイズは約20cmと非常に小さく、点検口や配管内の飛行が可能となっています。

飛行制御システムは自社で開発し、磁気センサを用いない姿勢制御を採用しており、コンパスエラーが生じないようになっております。

また、防塵構造モーターを搭載しており、粉塵・水滴環境下での飛行が可能です。

価格については、約1,000万円という情報もあります。

 

項目 詳細
用途 点検
寸法 194mm × 198.5mm × 58mm
重量 243g
最大飛行時間 11分
カメラ 解像度1920 × 1080

 

⑤ブルーイノベーション(株)

企業概要

複数のドローン・ロボットを遠隔で制御し、統合管理するためのベースプラットフォームであるBlue Earth Platform(BEP)を軸に、点検、物流、オフィス、教育の4つの分野でサービスを展開しています。

ドローンの機体としては、プラント点検向け球体ドローン「ELIOSシリーズ」を開発しています。

 

製品紹介

ELIOS 3

出典:ブルーイノベーション(株)

 

スイスのFlyability SA社と業務提携し、開発を行っています。

ボイラーやタンク、工場の高所など、狭小空間の点検において、活躍しています。

球状のプロペラガードで、全方向の衝突リスクに備えています。

 

項目 詳細
用途 点検
寸法 L480mm×W480mm×H380mm
重量 2350g
最大飛行時間 12.5分
カメラ センサーサイズ(1/2.3”” CMOS)、ピクセル数(縦3000pixel×横4000pixel)

 

⑥Terra Drone(株)

企業概要

2016年に設立された企業で、東京に本社を置き、全国に拠点を構え、海外においても欧州や東南アジアを中心に、事業展開を行っています。

ドローンレーザー測量、写真測量においては、大手ゼネコンや測量会社からの案件など、2,000回以上の実績を有しています。

ドローンを活用したサービス業を展開しております。

機体としては点検用の機体を制作しております。

 

製品紹介

Terra Xross 1

出典:Terra Drone(株)

 

Terra Droneが開発した、屋内点検用のドローンになります。

Lidarを活用しており、屋内の粉塵や暗所などでも安定した飛行が可能となっております。

有線給電モジュールを使用することで、常時給電が可能となり、バッテリー切れのリスクを防ぐことができます。

 

項目 詳細
用途 点検
寸法 360×310×210mm(長さ×幅×高さ)
重量 1800g
最大飛行時間 10分
カメラ 1/1.7-inch 8MP、4K

 

⑦(株)マゼックス

企業概要

2017年に東大阪で設立された企業になります。

農業・林業・建設業などの産業用ドローンの開発等を行っております。

特に農薬散布ドローンの販売実績が大きいです。

 

製品紹介

飛助15

出典:(株)マゼックス

 

農業用農薬散布ドローンの最新機種(2025年6月時点)になります。

タンクの容量が15Lとなっており、取り外しもワンタッチでできます。

完全自動飛行モードも搭載しており、進行方向や飛行高度、散布量・散布幅などもアプリで調整が可能です。

1バッテリーにつき、1.5haまで散布が可能です。

価格は約100万円ほどです。

 

項目 詳細
用途 農業
寸法 1280×1280×690mm
重量 22.50kg
最大飛行時間 1バッテリーにつき、1.5ha散布可能
カメラ 標準装備。高度維持・障害物レーダも標準搭載

 

 

⑧(株)Sky Drive

企業概要

「100年に一度のMobility革命を牽引する」というミッションを掲げて、2018年に設立された企業になります。

空飛ぶクルマ(電動垂直離着陸航空機(eVTOL))の開発を行っており、大阪万博にも展示されております。

日本の自動車メーカーのスズキが製造しております。

 

製品紹介

SKY DRIVE

出典:(株)Sky Drive

 

大阪万博にも展示されている、空飛ぶ車になります。

最大で3名搭乗可能で、100km/hで飛行可能、航続距離は40kmまでとなっております。

 

項目 詳細
用途 空飛ぶ車
寸法 約11.5 m × 約11.3 m × 約3 m(ローター含む)
最大離陸重量 1,400 kg
最大巡航速度 100 km/h(対気速度)
航続距離 15~40km
最大搭乗人数 3名(操縦士1名+乗客2名)

 

⑨(株)ジーフォース

企業概要

2013年に設立された、ホビーユーザー向けのドローン・ラジコンの開発と販売を行っている企業です。

多種多様な小型ドローンを開発しており、ドローンに興味のあるユーザーさんの第一歩としておすすめです。

 

製品紹介

LEVIO

出典:ジーフォース

 

ジーフォースから発表された、最新の99g以下のドローンになります(2025年6月時点)。

シングルジンバルを搭載しており、ブレの少ない映像を撮ることが可能です。

プロポからカメラの角度を調整可能で、動画もFHD対応となっております。

 

項目 詳細
用途 趣味
寸法 全長:122mm 全幅:150mm 全高:32mm
重量 総重量:95g
最大飛行時間 約10分
カメラ 動画:MP4形式/1920×1080

静止画:JPG形式/3840×2160

 

参考文献

「日本ドローン年鑑2024 」野波健蔵 監修、一般財団法人 先端ロボティクス財団 編著、日刊工業新聞社

 

株式会社ACSL HP:
https://product.acsl.co.jp/product/post-369/
https://www.acsl.co.jp/news-release/press-release/2798/

 

SONY HP:

https://www.sony.jp/airpeak/products/ARS-S1/

 

エアロセンス(株) HP:

https://aerosense.co.jp/products/drone/as-vt01k/

 

(株)Liberaware HP:

https://liberaware.co.jp/

 

ブルーイノベーション(株) HP:

https://www.blue-i.co.jp/

 

国土交通省 HP:

https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/inspection-support/pdf/c/BR010060.pdf

 

 

Terra Drone(株) HP:

https://terra-drone.net/

 

(株)マゼックス HP:

https://mazex.jp/

 

(株)Sky Drive HP:

https://skydrive2020.com/flyingcar

 

ジーフォース HP:

https://www.gforce-hobby.jp/

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です