この記事の概要
著者は令和8年の測量士試験を受け、合格いたしました。
そもそも測量士試験とは何か、どのように勉強したかなどをこの記事にまとめております。
今後の勉強等の参考にしていただければと思います。
目次
- 測量士の基礎
・測量士とは
・測量士試験の取得条件
・資格取得のメリット - 試験について
・試験概要
・合格率等
・出題範囲の概要
・①法規(AM)
・②測地測量(AM)
・③測図測量、地理情報システム(AM)
・④三次元点群測量(AM)
・⑤応用測量(AM)
・午後試験の概要 - 勉強方法
・勉強方針
・測量士試験テキスト
・通信講座
・筆者の場合
1. 測量士の基礎
測量士とは
測量法にて、技術者として基本測量または公共測量に従事する者と定義されております。
測量士は、公共測量における、測量計画の作製が可能な技術者となります。
なお、測量士補は、測量士の作製した計画に従い測量に従事する者をいいます。
※ 基本測量とは、すべての測量の基準となる国土地理院が行う測量で、公共測量は、費用について国や公共団体が負担・補助して行う測量をいいます。

図 測量士及び測量士補の定義(出典:e-gov)
測量士の取得条件
土木関係の学校卒業以外の方は、ほぼほぼ測量士試験での取得となります。

図 測量士取得の流れ(出典:e-gov)
資格取得のメリット
転職で有利になる
測量士がいないと、測量業を営むことができないと法律に定められており、営業所ごとに測量士を必ず一人以上置かなければなりません。
そのため、測量業を行いたい企業としては、測量士の確保が必要となり、転職などの募集要件にて「測量士」と記載されていることもあります。
また、GIS関連の委託業務を行う際の資格要件にて「測量士」が含まれることもあります。
上記のことから、測量関連やGIS業務の人材の募集要項にて「測量士」が含まれることが多く、取得していると転職に有利になります。

図 測量士の設置(出典:e-gov)
2. 測量士試験について
試験概要
試験概要は以下の通りです。
表 測量士試験の概要(参考:国土地理院HP)
| 項目 | 詳細 |
| 試験日時 | 5月中旬 10:00~16:00
(AM択一式:10:00-12:30、PM記述式:13:30-16:00) |
| 試験地 | 宮城県、秋田県、東京都、新潟県など |
| 試験方式 | AM:択一(5択)方式
PM:記述式 |
| 受験申込期間 | 1月上旬~中旬 |
| 問題数 | AM:28問(1問25点 700点満点)
PM:必須1題 (設問数4問)300点、 選択2題/4題(設問数各3問)400点 計700点満点 |
| 試験科目 | ①測量に関する法規及びこれに関連する国際条約
②測地測量 ③測図測量、地理情報システム ④三次元点群測量 ⑤応用測量 |
| 合格基準 | AMの得点が450点以上かつ、AM + PMの合計得点が910点以上(1,400点満点中) |
合格率等
合格率
令和6年以前は、10%前後でしたが、令和7年は約40%、令和8年は約25%と上昇しております。
合格率の上昇の背景には、測量士の人材不足が要因と言われております。

図 測量士試験の合格率の推移(参考:国土地理院HP)
合格基準
午前試験にて、450点(18問/28問(約65%))以上の正答でかつ、午前+午後試験の合計点が910点以上(/1,400点)が合格となります。
そのため、相対評価ではなく、絶対評価の試験となります。
出題範囲の概要
出題範囲の概要は以下の通りとなります。
計算問題(午前試験)は毎年、約3割出題されており、例年類似問題も多く、得点源にしたいところです。
表 測量士試験の出題範囲の概要(参考:国土地理院HP)
| 項目 | 詳細 |
| 法規 | 測量法、関連する国際条約、関連法規(作業規程の準則等) |
| 測量方法等 | 測地測量:多角測量、GNSS測量、水準測量
測図測量:地形測量、写真測量、地図編集 地理情報システム 三次元点群測量 応用測量:路線測量、河川測量、用地測量 |
| 数学 | 指数関数、三角関数、微分・積分、行列、最小二乗法(誤差、確率統計) |
①法規(AM)
測量法
国または公共団体の予算が含まれている測量について、規定している法律になります。
目的として、測量の重複を除き、測量の正確さを確保することが挙げられております。
作業規程の準則
公共測量の標準的な作業内容を定め、その規格を統一し、必要な制度を確保するために定められています。

図 作業既定の準則(出典:国土地理院)
ポイント
測量法や作業既定の準則の改正があった際は、必ずと言っていいほど出題されるので、内容をチェックしましょう。
根幹の部分は、そうそう大きく変化することはないため、毎年類似した内容の問題が出題される傾向にあります。
また、国際法については、ITRFやJPGISなどについて出題されることが多いです。
参考)法規 例題(AM)


出典:国土地理院
参考)作業規程の準則 改正点(令和7年)


出典:国土地理院
②測地測量(AM)
多角測量
既知点から求点までの距離と角度を測定する測量。
GNSS測量
衛星測位システム(GNSS)を活用し、位置情報を取得する測量。
水準測量
水準点の標高を求める測量(高低差を測定する測量)
ポイント
作業規程の準則については、作業工程を理解し、それぞれの留意点を整理しておきます。
計算問題については、三角関数を利用した問題が出題されます。
参考)測地測量 例題(AM)



出典:国土地理院
③測図測量、地理情報システム(AM)
地形測量
地形図を作成する測量になります。
写真測量
写真より撮影した対象物を測量。主に広域で実施されます。
地図編集
既存地図を編集し、新規に地図を作成します。
地理情報システム(GIS)
コンピュータ上で地理空間情報を可視化します。
ポイント
こちらも作業規程の準則から、作業工程を整理し、各作業の留意点を把握しておきます。
計算問題については、過去問を中心に、類題が確実に解けるようにしておきます。
また、地形図の読み取り問題も出題されるため、地図記号などもおさえておきましょう。
参考)測図測量、地理情報システム(AM) 例題




出典:国土地理院
④三次元点群測量(AM)
三次元点群測量
UAVやTLS(地上型レーザスキャナ)を使用し、三次元点群データを作成する作業を言います。
種類
以下のようなものがあります。
・地上レーザ測量
・UAV写真点群測量
・UAVレーザ測量
・車載写真レーザ測量
・航空レーザ測量
・航空レーザ測深測量
ポイント
こちらも作業規程の準則から、作業工程を整理し、各作業の留意点を把握しておきます。
また、新規分野のため、適宜改正などがあるかをチェックして、内容を押さえておきます。
参考)三次元点群測量 例題(AM)



出典:国土地理院
⑤応用測量
路線測量
線形築造物(道路など)建設における測量
河川測量
河川、海岸等の調査、河川の維持管理等に用いる測量
用地測量
土地、境界等について調査し、用地取得等に必要な資料及び図面を作成する作業
ポイント
こちらも作業規程の準則から、作業工程を整理し、各作業の留意点を把握しておきます。
円曲線、クロソイド曲線、用地面積の計算問題などが出題されます。
参考)応用測量 例題(AM)



出典:国土地理院
午後試験の概要
午後試験は記述式となります。
必須問題1題と選択問題4題のうち、2題を選択し、回答します(合計で3題解答します)。
選択問題は下記4種類になります。
- 基準点測量:作業工程、観測図の作成、観測方程式 など
- 地形・写真測量:作業工程、航空測量に関する計算問題、MMS など
- 地図編集:作業工程、地図投影法、GISのデータ加工 など
- 応用測量:作業工程、クロソイド曲線の計算、用地測量に関する作図 など
過去問を見てみて、自分が説きやすそうな問題を選択するとよいと思われます。
参考)必須問題(PM) 例題


出典:国土地理院
参考)基準点測量(PM) 例題


出典:国土地理院
参考)地形・写真測量(PM) 例題


出典:国土地理院
参考)地図編集(PM) 例題


出典:国土地理院
参考)応用測量(PM) 例題


出典:国土地理院
3. 勉強方法
勉強方針
- 独学の場合、市販のテキストはほぼなく、日本測量協会のテキスト及び過去問集、または、東京法経学院のテキストを使用することになるかと思います。
- 測量法および作業規程の準則は原文を必ず1回は読むようにしましょう。
- ベースは過去問とテキストを中心に勉強し、テキストや過去問を数周します。
- 過去問は6年分程度を目安に解くとよいと思われます。(あまり古いと法律などが変わっているため)
- 数学の知識が必要になるため、別途市販の数学のテキストなどを参考にしても良いかと思います。
- 合格の方針としては、午前試験 + 午後の必須問題 を得点源とします。
- 勉強時間の目安は約300時間(2時間/日で約半年、アガルートより)とのことです。
測量士試験テキスト
日本測量協会のテキストは難しいと感じ、東京法経学院のテキストで知識を身に着け、日本測量協会のテキストはサブで使用していました。
過去問集は、日本測量協会のものが、丁寧に解説してくれてます。

出典:東京法経学院

出典:東京法経学院
参考テキスト
「よくわかる数学」は、測量で使用する数学の基礎知識を解説しているようです。
「国土を測る技術の基礎」は、測量士試験で使用する公式等を、詳細に解説してくれています。
別途、日本測量協会が出している「測量関連実務書」の中から、試験に関係あるモノを読むと良いと思います。
また、測量法、作業規程の準則に加え、国土地理院の「JPGIS」のページも読むとよいと思います。
午後試験で出題される内容が含まれています。

出典:東京法経学院

出典:日本測量協会

出典:国土地理院
通信講座
筆者はアガルートや東京法経学院の模擬試験や通信講座を受けました。
本番の対策にもなり、本講座より料金を抑えて受講できました。


出典:アガルート

出典:東京法経学院
参考にその他の通信講座の情報もいかに掲載いたします。
一度独学で挑戦して、難しければ受講を検討してもよいかと思います。

出典:日本測量協会

出典:アガルート

出典:アガルート
筆者の場合
筆者は以下のようなスケジュールにて勉強してました。

また、以下のことを意識して勉強しました。ぜひ参考にしていただければと思います。
- 通常業務と並行しながらの勉強のため、学習時間の確保が難しいと思い、1年間かけての勉強計画としました。
- 前半の半年間をインプット、後半の半年間をアウトプットとしました。
- 教材はメインのテキストを「東京法経学院」のものを使用し、サブで日本測量協会のものを使用しました。
問題演習は日本測量協会のテキスト及び過去問集を使用しました。 - 測量法、作業規程の準則及び改定内容、JPGISなどは地理院のHPから数回目を通すようにしました。
- 別途、日本測量協会が出版している測量関連の書籍を購入し、読むようにしました。
- 午後の選択問題に関しては、自身の業務などとなじみ深い「No.3 地形・写真測量」と「No.4 地図編集」を選択すると決めていましたが、
難しい問題が出た場合や、午前試験での対策も踏まえ、午後の選択問題についても、過去問は必ず一度は解くようにしました。 - 計算問題は、例年、類似問題が出ているため、確実に得点できるよう、何度も演習を行いました。
- 問題演習後、苦手なところや何度も間違うところは別途ノートにまとめ、空き時間で見るようにしました。
