はじめに
DEMデータをDEM変換ツールでラスタ化するにあたって、zipファイルを一括で展開するbatファイルを使用し、簡単にまとめてラスタ化できるような手順をまとめました。
DEMデータとは
Digital Elevation Model、デジタル標高モデルといいます。
地形の高さをデジタルデータで表したもので、地面の起伏や高さの違いを数値で表した物です。
地形の3Dモデルの作成や、河川やダムの水流シミュレーション、災害予測などに使用されます。
出典はこちら(https://desktop.arcgis.com/ja/arcmap/latest/tools/spatial-analyst-toolbox/exploring-digital-elevation-models.htm)
データのダウンロード
基盤数値情報ダウンロードサービスのサイト(https://fgd.gsi.go.jp/download/menu.php)より、数値標高モデルのファイル選択をクリックします。
メッシュサイズや選択エリアを選択して、ダウンロードファイル確認へをクリックして、ダウンロードします。
ダウンロードの際、会員登録(無料)が必要になるので、必要事項を入力して登録します。
今回は仙台市青葉区の10mメッシュのDEMデータをダウンロードしています。
バッチファイルを用いての一括解凍し、1つのフォルダにまとめる。
以下で使用するDEM変換ツールで、DEMのxmlファイルを1つのフォルダにまとめておく必要があるので、batファイルを使用し、一括でzipフォルダを解凍し、xmlを1つのフォルダにまとめます。
zipファイルをダウンロード後、任意のフォルダに1つにまとめます。
その後、zipフォルダのリストを作成します。
ダウンロードしたzipフォルダについて、すべて選択して右クリック→パスのコピー を選択します。
エクセルに貼り付けると、pathを含めたフォルダ名が出力されるので、pathの部分を置換などで削除し、○○.zipファイルになるようにします。
下記がbatファイルの中身になります。
.zipの部分をそれぞれエクセルで作成したリストの名前に直します。
その後、メモ帳などに貼り付け、拡張子を.batにして保存します。
保存後、.zipフォルダがある階層に、作成したbatファイルを置きます。
実行場所のpathに日本語が含まれると上手くいかないため、デスクトップなどで実行するとbatがうまく叩けます。
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@echo off
:: 出力フォルダの指定
set output_dir=extracted_files
:: 出力フォルダが存在しない場合、作成
if not exist %output_dir% (
mkdir %output_dir%
)
:: 各ZIPファイルを展開
for %%f in (
FG-GML-5740-37-DEM10B.zip
FG-GML-5740-44-DEM10B.zip
FG-GML-5740-45-DEM10B.zip
FG-GML-5740-54-DEM10B.zip
FG-GML-5740-55-DEM10B.zip
FG-GML-5740-25-DEM10B.zip
FG-GML-5740-26-DEM10B.zip
FG-GML-5740-27-DEM10B.zip
FG-GML-5740-34-DEM10B.zip
FG-GML-5740-35-DEM10B.zip
FG-GML-5740-36-DEM10B.zip
) do (
tar -xf %%f -C %output_dir%
)
:: 標準出力を表示しないためにウィンドウを閉じる
exit
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batファイルをダブルクリックすると、実行されて、1つのフォルダに解凍されてまとまります。
ソフトのダウンロード
株式会社エコリスのサイト(https://www.ecoris.co.jp/contents/demtool.html)より、DEM変換ツールをダウンロードします。
ソフトの使い方
基盤地図情報標高DEM変換ツール フォルダのconvert_and_merge.vbsを使用します。こちらをダブルクリックして実行します。
最初に座標系を選択していきます。今回は平面直角座標系を使用するので、2とします。
宮城県は平面直角座標系の第10系なので、10とします。
保存場所を設定して、OKをクリックします。
海の高さを0または-9999にするか選択します。
merge.tifというDEMのラスタデータが作成されます。
QGISに重ねて見ることができます。