概要
田んぼアートをドローンで撮影して、地域の交流や農業のPR、環境教育などに貢献した事例がありましたので、ご紹介いたします。
背景・目的
田んぼアートとは、田んぼをキャンバスに見立てて、色彩の異なる稲を植えることで作る巨大なアートのことです。
今回ご紹介する事例は、三重県伊勢市小俣町で2015年から毎年6月下旬~7月下旬に「水土里プロジェクトおばた」と「明野小学校」が制作し、作品公開されているものになります。
CSGコンサルタント(株)が、測量技術を活用した社会貢献活動の一環として、無償支援を続けています。
提供する技術は、
- 下絵を田んぼに展開する「座標計算」
- トータルステーションを用いたガイド木杭の設置
- 完成した田んぼアートのドローン撮影
となっています。
対象地域
三重県伊勢市小俣町新村小俣総合体育館駐車場 明野児童館前の農地(田んぼ)
作成方法・利活用技術
- 下絵の田んぼへの展開(座標化):測量CADを使用して座標計算
- 田植えの目印となる木杭設置:トータルステーションを用いた位置だしおよび木杭の設置
- 木杭を目印とした田植え:色の違う苗を植え付け
- 田んぼアートの空撮:完成した田んぼアートをドローンにより空撮し写真を提供
結果及び成果
今回の取り組みは、田んぼへの座標変換及び木杭の設置について、正確性と作成効率の向上に大きく寄与しています。
田んぼアートは地元の農家や地域住民、小学校が協力して制作しており、地域活性化につながります。
多くの観光客や住民が訪れることで、地域経済の活性化や交流促進につなげることも可能です。
農業に関する関心も高まり、農業のPRにもなります。
稲作や自然について学ぶことができるだけではなく、環境保全などの環境教育にもなります。
地元観光協会や訪れた人々からのSNSを通じた発信によって、地域の観光資源として活用も可能であり、期待も大きいです。
出典:(公社)伊勢市観光協会
今後の展望
新たな取り組みとして、地図投影計算を応用し、パース(3Dのように見える絵)をかけた田んぼアートを計画しています。
また、測量技術のPRにもつなげていくことを考えています。
出典
公益社団法人 日本測量協会:実務者向け UAVを主体とした複合的な利活用事例集