目次
- 概要
- ドローンの選び方
- 機体選びのポイント
- 2025年2月時点での予算別おすすめドローン
- 参考
概要
書籍「ドローンハンドブック」を参考に、ドローンを選ぶにあたってのポイントをまとめました。
おすすめドローンについては、2025年2月時点で、筆者がおすすめするものを記載しております。
ドローンの選び方
ドローンのメーカーはいくつかありますが、現時点ではDJI社(中国)製のものが多く流通しており、性能も高くおすすめです。
他には、
- 商品とパーツが安定して供給されている
- ユーザー数が多く、入門者でも情報を得やすい
- 同じ操作方法で大きな機体に移行しやすい
- 充実した保険の選択肢がある
などの特徴があります。
機体選びのポイント
重量(100g以上か否か)
バッテリーを含む機体重量が100g以上のドローンは、航空法により飛行ルールが定められています。
図 100g以上のドローンの登録義務(出典:国土交通省)
カメラ性能
どのレベルの写真や映像を撮影したいか。
カメラ性能が高いドローンほど、機体は大きく、高額になります。
機体制御センサーが装備されているか
一定レベル以上のドローンには、機体を制御するための各種センサーが搭載されています。
このセンサーにより、送信機のスティックから手を離しても、ホバリングすることができます。
こうしたセンサーがなければ、機体が上下左右にフラフラ動き、ホバリングの際もスティック操作が必要になります。
操縦技術を向上させたい方は、センサーなしの機体を購入し、練習するのも良いと思います。
購入時の注意点
技適マークがついているか
技適マークは、電波法で定めている技術基準に適合している無線機であることを照明する「技術基準適合証明マーク」のことを言います。
技適マークのついていないドローンは、屋内・屋外問わず、日本国内では使用不可です。
インターネット通販などで海外製のドローンが安く購入できますが、マークがついていないこともあるため、注意が必要です。
図 技適マーク(出典:総務省)
電波の免許が必要ないか
映像伝送のために高い周波数を使用する場合(ドローンレースなど)は、「アマチュア無線4級従事者以上」(事業で使用する場合は、「第3級陸上特殊無線技士以上」)の免許が必要となります。
MODE1、2を選択可能か
スティックがどの挙動に対応するかで分類されています。
MODE1は、日本のラジコン航空機では標準となっており、熟練のパイロットや産業界で操縦するケースが多いです。
MODE2は、海外では主流となっており、初めてドローンを操縦する方にはこちらがおすすめです。
右のスティックの動きが、ドローンの水平面の挙動と連動しており、直感的に操縦しやすくなっております。
DJI機や国内正規品で流通しているドローンについては、上記の問題はありませんが、通販で販売されているドローンや、レース用のドローンなどでは注意が必要です。
2025年2月時点での予算別おすすめドローン
らくだが選定した、予算別おすすめドローンを以下にまとめております。
個人的には、
とりあえず室内で良いのでドローンを試しに操縦してみたい
→ HS420
屋外でひとまずお試しで飛ばしてみたいが、予算は抑えめにしたい
→ DJI Neo
趣味でガンガン飛ばしていきたい
→ DJI mini3
予算に余裕があり、趣味+ゆくゆくは仕事にも使えるようなドローンがほしい
→ DJI Air3
をおすすめしております。
1万円未満
Holy Stone:HS420
出典:Amazon
価格:8,590円(税込)(2025年2月時点)
重量:33g
カメラ:HD1920×1080P
飛行時間:約6分(バッテリー1個につき)
Holy Stoneという中国のメーカーが販売しているドローンになります。
100g未満のため、機体登録などの手続き不要で飛行できます。
主に室内で楽しむトイドローンになります。
1万円以下でカメラがついていて、操縦も体験してみたい方、お子さんにおすすめです。
SKY FIGHT:SKY FIGHT X
出典:W.S.P
価格:2,000円前後(税込)(2025年2月時点 メルカリ)
重量:32g
カメラ:なし
飛行時間:約5分(バッテリー1個につき)
主に操縦の練習をするのに良いドローンになります。
価格も非常にお手頃で、まずはドローンを操縦してみたいという方にはおすすめです。
ドローンスクールなどでもよく使用されているようです。
ただし、カメラが搭載されていないこと、基本的に事業者向けの販売となっており、メルカリなどのサイトからしか一般の方は購入できないことに注意が必要です。
カメラ付きだと、SKY SELFIEという機種もあり、価格も同程度なのですが、在庫がなく、入手が困難です。
1~3万円
Ryze(DJI):Tello
出典:DJI
価格:12,980円(税込)(2025年2月時点)
重量:80g
カメラ:動画720pHD、静止画5MP
飛行時間:約13分(バッテリー1個につき)
DJIから技術提供を受けたRyzeより販売されている、100g未満の小型ドローンになります。
100g未満のドローンの中では性能が良く、飛行も安定しているようです。
主に室内で飛行させたい方や、お試しでそこそこ安定した飛行を楽しみたい方におすすめです。
風がほとんど吹いていない状態であれば、外でも飛行が可能なようです。
Holy Stone:HS155
出典:Holy Stone
価格:17,320円(税込)(2025年2月時点 Amazon)
重量:98g
カメラ:1080pHD
飛行時間:約14分(バッテリー1個につき)
重量100g未満のため、国土交通省等への申請が不要で、かつGPSを搭載しているので、ホバリングなどが安定した機体になります。
現時点(2025年2月)で、100g未満でかつGPSを搭載しているのは、本機体のみになります。
GPSを搭載しているため、自動追尾機能や自動帰還機能も使用できます。
ただ、100g未満の機体のため、風には弱いため、風速がそこまでない日に屋外で飛ばすのが良いです。
価格抑えめで、国土交通省への申請等の手間を省きたい方やGPS搭載の機体を使ってみたい方におすすめです。
DRONE STAR:DRONE STAR TRAINING
出典:DRONE STAR
価格:25,700円(税込)(2025年2月時点)
重量:50.5g
カメラ:約90万画素
飛行時間:約7分(バッテリー1個につき)
ドローンの国家資格取得に向けた練習用に特化したドローンになります。
ビジョンセンサーというセンサーをオフにできるため、国家試験の異常事態における飛行の練習を行うことができます。
現行で販売されいてる機体では、センサーのオンオフは原則できないものがほとんどなので、切り替えが可能なのは貴重です。
国家資格を取得したい方で、室内での練習用ドローンがほしい方におすすめの機体です。
3~5万円
DJI:Neo
出典:DJI
価格:33,000円~(税込)(2025年2月時点)
重量:135g
カメラ:有効画素数12MP、動画4K30fps
飛行時間:約18分(バッテリー1個につき)
DJIより発売されている、vlog撮影用のドローンになります。
耐風性等が他のDJI製品よりは低く、重量が軽いため、30mくらいまでの飛行が良いかなと思います。
性能的には150mまで飛ばすことは可能ですが、少し心配になります。
プロペラガードもついているため、衝突などの安全面でも安心できます。
FPV(ゴーグルをつけての飛行)にも対応しております。
3万円程度で、屋外で手軽に飛ばしてみたい方におすすめです。
5~10万円
DJI:Mini3
出典:DJI
価格:51,920円~(税込)(2025年2月時点)
重量:248g
カメラ:有効画素数48MP、動画4K30fps
飛行時間:約38分(バッテリー1個につき)、インテリジェントフライトバッテリー使用で約51分
趣味用で最もコスパが良いドローンになります。
インスタグラム用で縦動画の撮影も可能となっております。
バッテリーも約40分もち、インテリジェントフライトバッテリーを使用すると、約51分飛行が可能です。
高度150mの飛行も問題なくできます。
持ち運びにも便利で、旅行などに持参し、撮影するのにも適しています。
HOVERAir :HOVERAir X1 Smart
出典:HoverAir
価格:59,980円~(税込)(2025年2月時点)
重量:99g
カメラ:有効画素数12MP、動画2.7K30fps
飛行時間:約10分(バッテリー1個につき)
99g以下なので、機体登録や航空法の適用外となり、煩わしい手続きなどがないので、飛ばすハードルを下げられるドローンになっております。
vlog撮影に適したトラッキングモードなどもあり、動画も2.7kまで撮影可能なので、予算に余裕がある方で、手軽に飛ばしてみたい方におすすめです。
10~15万円
DJI:Air3
出典:DJI
価格:103,840円~(税込)(2025年2月時点)
重量:720g
カメラ:有効画素数48MP、動画4K100fps
飛行時間:約46分(バッテリー1個につき)
趣味用で、ゆくゆくは仕事も視野に入れている方におすすめのドローンになります。
デュアルカメラを搭載しており、広角と望遠(3倍ズーム)に対応しています。
性能と価格のバランスが最もとれたドローンになっております。
予算に余裕がある方で、ドローンをこれから始める方に、最もおすすめしたいドローンです。
DJI:AVATA 2
出典:DJI
価格:143,000円~(税込)(2025年2月時点)
重量:377g
カメラ:有効画素数48MP、動画4K60fps
飛行時間:約23分(バッテリー1個につき)
DJIより発売されている、FPVドローン(ゴーグルをつけて飛ばすドローン)になります。
無線の免許不要で、飛行させられるFPVドローンになります。
大迫力の映像が撮影可能です。
予算に余裕があり、FPVにチャレンジしてみたい方におすすめです。
15万円~
DJI:Mavic3 pro
出典:DJI
価格:261,800円~(税込)(2025年2月時点)
重量:958g
カメラ:有効画素数48MP、動画5.1K50fps、4K120fps
飛行時間:約43分(バッテリー1個につき)
一般コンシューマー用ドローンで、最高峰のドローンになります。
3眼カメラを搭載しており、メインのカメラは、4/3型CMOS Hasselbladカメラとなっております。
望遠と中望遠カメラを搭載しており、最大で28倍までズーム可能です。
全方向に障害物センサーがついており、安心して飛行が楽しめます。
最初から仕事を視野に入れており、予算に余裕がある方におすすめのドローンになります。
望遠が必要ない方には、Mavic3 classicもおすすめです。
※ちなみに、らくだはMavic3 classicを保有しております。
※番外編 空撮最高峰ドローン
DJI:Isnpire3
出展:DJI
価格:1,769,900円~(税込)(2025年2月時点)
重量:3,995g
カメラ:動画8K75fps
飛行時間:約28分(バッテリー1個につき)
DJIより発売されている、空撮用の最高峰ドローンになります。
8Kの撮影が可能で、映画などの撮影にも使用されます。
撮影の機能
ジンバル
ジンバルとは、ドローンの機体の動きをリアルタイムで計測し、モータを使用して高速で機体の揺れと反対方向にカメラを動かし、カメラの揺れや振動を止める働きをするものです。
ここ数年で、ドローンによる空撮が急速に普及したのは、モータで制御する高性能なジンバルが普及したことが大きいと考えられます。
DJIが世界のドローン市場で圧倒的なシェアを獲得したのは、ドローンに搭載可能な小型で高性能なジンバルとカメラを短期間で開発できたことも大きな要因だと考えられます。
ジンバルには、回転を制御するモータの数により、2軸と3軸ジンバルがあり、3軸ジンバルの方が揺れを吸収する能力が高いです。
小型ドローンの中には、ジンバルを搭載せずに、揺れた画像をソフトウェアの処理で取り除くタイプもあります。
図 ジンバルのイメージ
カメラ
結論として、普通に動画を撮影する分には、1080pで30fpsとしておけば問題ないです。
以下にそれぞれの用語などを解説しております。
画素数
画素数が多いほどこう繊細な画像を撮影することができます。
映像の場合は、映像の規格に準拠した画素数で表示されますが、ドローンは主に4Kと2K(FHD)、HDに対応しております。
一般的には、FHD以上で問題ないかと思います。
図 動画サイズ(解像度) 出典:Jstream
センサーサイズ
同じ画素数であれば、一般的にはセンサーサイズが大きいほど暗い環境でも、ノイズが出にくく、高画質で撮影できます。
1型センサーほどあると、きれいな映像が撮れる印象です。
図 センサーの大きさ比較 出典:姫野ばら園 八ヶ岳農場 ブログのコラム
ビットレート
映像の録画時のデータ流出の単位のことです。
50Mbpsなどと表示され、数が大きいほど1コマあたりのデータ量が多くなり、高画質となります。
フレームレート
1秒あたりのコマ数をfpsという単位で表します。
fps値が高いほど、映像がなめらかに動いて見えるほか、スローモーション撮影に対応できます。
一般的には、30fpsあれば問題ないと思います。
スローモーションだと、120fps合った方がよいと思われます。
図 フレームレートの比較 出典:jennic
RAW保存(静止画)
カメラの画像センサーが出力するデータは非常に大きいため、通常はJPEG形式に圧縮して保存されますが、圧縮前のデータをRAWデータと呼びます。
絞り(F値)
レンズから入る光の量をあわらしたもののことを言います。
ぼけ感の調整に使用します。
図 絞りの比較 出典:GOOPAS
参考
森健司著:ドローンハンドブック 「飛ばさない決断もできるパイロットになろう!」 玄光会MOOK 2019年