地球上の位置を表す仕組み
GISで扱う位置情報として、地球上の位置を角度で表す緯度・経度(地理座標)が代表的です。
地球は球体であるため、角度で示すのが良いです。
しかし、角度を元にした座標は距離や面積の計算には適していません。
そのため、緯度・経度の座標をXY軸が直交した平面の座標(投影座標)に変換して管理をします。
この変換を地図投影と言います。
コンピューター上では位置情報は座標で管理されています。
一方、人間が扱う位置情報は住所や地名などの文字情報です。
主な地図サービスでは、コンピューターの内部で住所から座標に変換する処理が行われています。
この処理をジオコーディング(アドレスマッチング)といいます。
地図サービスでは、角度が正しく表現できるメルカトル図法という投影法がよく使われています。
GISでは目的に応じて、様々な地図投影法を切り替えて表現できます。
GISで利用可能なデータの種類
GISでは様々なデータを扱うことができ、CAD(Computer Aided Design)データも扱えます。
CAADソフトで作成した設計図面ファイルをGISの地図上に重ね合わせて表示することも可能です。
また、高さの情報を持つ3Dデータにも対応しており、地形データや点群データなどに対応しています。
日常業務で使用している、エクセルやcsv、リレーショナルデータベースのテーブルなどのデータもGISで利用することができます。
GISで取り込んだ表のデータは、ベクターデータと関連付けることで、地物の属性情報として扱うことができます。
GISのシステム形態
専門的なGISの知識やソフトウェアの準備が不用なのがクラウドGISです。
クラウドサービスを利用したGISとなっており、あらかじめ用意された地図アプリやGISデータを使用して、初期導入費用が抑えられます。
ソフトウェアをコンピューターにインストールして利用するデスクトップGISというものもあります。
クラウドGISより自由道の高い操作や処理ができる利点があり、より専門知識を持った利用者が高精度なデータ作成や高度な分析を行うことを目的に利用します。
クラウドGISが登場する以前では、サーバー、クライアント環境を自前で構築するサーバーGISというものが利用されてきました。
サーバーやネットワーク環境を独自で用意するため、初期導入コストが高くなるという難点があります。
しかし、専用のサーバー環境が構築できると、きめ細かい設計ができたり、機密情報を社内ネットワークで管理したりすることができます。
現地調査のためのモバイルGISも開発されています。
クラウドGISやサーバーGISへ接続して、データを直接保存することができます。
参考
GISのビジネス活用がよ~くわかる本